教育ローンとは?利用方法や条件をお教えします!

家計の中でも大きなウエイトを占めている費用の一つが、「子供の教育費」ではないでしょうか。
住宅ローンの支払いもあって教育費が捻出できない、という家庭も少なくないと思います。
そのようなときに利用したいのが、今回のテーマとなる「教育ローン」です。

このページでは、教育ローンの利用方法や利用条件などについて詳しくお話していくので、ぜひ参考にしてみてください。

教育ローンとは

教育ローンとは
教育ローンについてイマイチ良く知らない人のために、まずは

・教育ローンとは何なのか
・学資保険や奨学金との違い

などからお話していきます。

教育ローンとは、大学や専門学校などの入学金、授業料、教科書代などといったお金をまかなうために利用するローンのこと。
国の教育ローンのほか、銀行や地方銀行、信用金庫、信販会社などが取り扱っている民間の教育ローンがあります。

教育ローンは、扱っている金融機関によって資金の使いみちが限られている場合があるため注意が必要です。
なかには資金使途が学校に支払う費用のみに限定されていて、金融機関から学校へ直接支払われる教育ローンもあります。
利用の前によくチェックしておきましょう。
一方で、通学の費用や下宿費用、習い事の費用など、教育に関する幅広い用途を認めている金融機関もあります。

教育ローンを利用する前に、どのような教育関連費用として利用したいのかを明確にしておくことをおすすめします。

教育ローンの金利

教育ローンは教育費をまかなうために借りるものですが、ローンである以上、定められた金利に従って利息がかかります。
教育ローンの金利はどのくらいなのでしょうか。

教育ローンの金利は、一般的なカードローンやフリーローンなどの各種ローンに比べると低く設定されています。
金利は国の教育ローンで年2%程度、銀行や信販会社などの教育ローンで年3%~10%程度です。

銀行の教育ローンを利用したいと考えている場合は、だいたい年3%~5%程度のところが多いと思っておくと良いでしょう。

教育ローンと奨学金の違い

学費をまかなうために借りるお金としては、教育ローンのほかに「奨学金」がありますよね。
教育ローンと奨学金に関して似たイメージを持っているという人もいるかもしれません。
教育ローンと奨学金には、次のような違いがあります。

・借主
教育ローンは子供のために保護者が借りるのに対し、奨学金は学生本人が借主となります。

・申し込める時期
教育ローンはいつでも申し込みができるのに対し、奨学金は決まった時期にしか申し込みができません。

・借りたお金の受け取り方
教育ローンは借入金額が借主である保護者の口座に一括で振り込まれるのに対し、奨学金は学生本人の口座に毎月その月の分が振り込まれます。
(教育ローンの中にもその都度受け取れるタイプのものもあります)

・返済が始まる時期
教育ローンは、借入の翌月などにはもう返済が始まりますが、奨学金に関しては学校を卒業してから返済が開始になります。
(教育ローンにも、子供の在学中は利息のみの返済でOKのものもあります)

そのほかにも細かい違いはありますが、大まかに違いを挙げるとこのような感じになるでしょう。
教育ローンは「子供のために親が借りる」ものであり、奨学金は「進学のために子供が自分で借りる」ものだと考えると分かりやすいと思います。

奨学金の方が手軽な印象を持つ人も多いかもしれませんが、給付型を除けば、奨学金も結局は「借金」と同じことです。
社会人になったと同時に我が子に借金を背負わせるなんて……と感じるならば、教育ローンを選んだ方が良いかもしれませんね。
また、学生本人も「なんとかなるだろう」と軽い気持ちで奨学金を利用してしまうと、あとあと返済に苦労することになりかねません。
教育ローンを選ぶか、奨学金を選ぶかという点については、親子で事前によく話し合った方が良さそうですね。
教育ローンと奨学金をうまく併用するのもありかもしれません。

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教育ローンの審査は厳しい?

教育ローンの審査
教育ローンの審査は厳しいのかどうか、気になりますよね。
子供の進学のための資金を借りたくても、審査に通らないことには借りることができません。

教育ローンを借りる時の条件

教育ローンの中には、申し込み条件として前年の税込み年収の制限を設けているところもあります。
また、勤続年数〇年以上、個人事業主の場合には事業を始めて〇年以上などの条件が設けられているケースもあるでしょう。
そして審査時には他社での借り入れ状況などもチェックされます。
そのほか、申込者の年齢、安定した収入があるかどうかなどの条件も設けられています。

やはり、教育ローンは借入金額が大きくなり長年にわたって返済していくものですから、条件や審査はある程度厳しいと考えておいた方が良いでしょう。

教育ローンの審査の難易度

ある程度審査が厳しいと言っても、申し込み条件を満たしていて信用情報に問題が無く、継続して安定した収入を得ていれば審査に通る可能性は十分にあります。
収入と借入金額のバランスがとれていれば、問題ないことが多いのではないでしょうか。

ただし、申し込み条件を満たしていれば誰でも審査に通るというわけではありません。
カードローンやクレジットカードなどの返済が滞っているなど信用情報がブラックの人、カードローンなどを複数借りている人、借入金額の総額が多い人などは、危険とみなされて教育ローンの審査に落ちてしまう可能性が高いと言えます。

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教育ローンを比較してみた

教育ローンを扱っている金融機関はたくさんありますから、そのすべてを比較検討するのは大変ですよね。
こちらでは、いくつかの教育ローンをピックアップして比較してみました。

国の教育ローン

日本政策金融公庫
日本政策金融公庫という公的機関のサービスを利用することになります。

・借入可能額:最高で350万円
・金利:年1.78%(固定金利。2019年1月現在)
・申し込み方法:インターネット、郵送、来店など(受験前、合格前の申し込みも可能)
・資金使途:高校、大学、短大、専門学校などの入学金や授業料、定期券代、アパート代、資格取得代金などに利用可能。
・申し込みが完了してから20日くらいで入金

イオン銀行教育ローン

イオン銀行
・借入可能額:10万円~500万円
・金利:年2.8%~3.8%(変動金利。2019年1月現在)
(イオン銀行のカードローンをあらかじめ利用している場合、優遇金利年2.8%が適用される)
・申し込み方法:店舗または郵送
・資金使途:教育機関に関わる費用、通学のための転居の敷金や礼金、借り換えなど

ちなみにイオン銀行では、イオンアシストプラン(目的型)を教育ローンとして利用する方法もあります。
金利は少し割高になりますが、その代わりに限度額が高く、申し込みもインターネットから手軽にできます。
さらに、教育に関わる目的の範囲内で比較的自由に借入金を利用することができるというメリットがあります。

【イオンアシストプラン(目的型)】
・借入可能額:10万円~700万円
・金利:年3.8%~8.8%
・申し込み方法:インターネット
・資金使途:学校に関わる費用以外にも、習い事、塾、部活などの費用としても利用可能

三井住友銀行教育ローン(無担保型)

三井住友銀行
・借入可能額:10万円~300万円
・金利:年3.475%(変動金利。2019年1月現在)
(申込時に住宅ローンを利用している場合には、金利が0.50%優遇されます)
・申し込み方法:インターネット、ローン契約機
・資金使途:学校や塾、予備校などに支払う資金、またはその借り換え
(使い道が確認できないもの、支払先へ一括で支払えないもの、払って2ヶ月以上経過しているものなどは除く)

無担保型のほかに有担保型もあり、金利は有担保型の方が割安になります(年2.975%。2019年1月現在)。
有担保型は利用限度額が50万円~3,000万円となっています。
前年度税込み年収200万円以上、無担保借入の合計が教育ローンも入れて前年度税込み年収の50%までなど、比較的厳しい条件といえます。

常陽銀行教育ローン(その都度タイプ)

常陽銀行
・借入可能額:10万円~500万円
(一括借り入れタイプは700万円まで)
・金利:店頭金利年3.975%
(WEB申し込みで年2.2%、常陽住宅ローンプレミアムクラブ会員の場合年2.2%、キッズクラブカードかゴールド免許所持で年2.6%、常陽ポイントクラブ100ポイント以上で年2.975%になる金利優遇あり)
・申し込み方法:インターネット、店頭窓口
・資金使途:大学、高校、専門学校などのほか、小中学校、幼稚園、保育園、予備校などの費用としても利用可能。仕送りや家賃などにも。

常陽銀行の教育ローンには「その都度タイプ(当座貸越型)」と「一括借り入れタイプ(証書貸付型)の2種類があり、その都度タイプの方が人気となっています。
その都度タイプはカードを使って必要な分だけATMから借り入れができるため、利息を安く抑えるということができるというメリットが。
しかも繰り上げ返済手数料も無料です。
必要な費用の金額がまだ決まっていない場合や、いざという時に備えたい場合にも使い勝手がよい教育ローンです。

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教育ローンの利用はメインバンクがお得?

教育ローンは、さまざまな銀行で取り扱われています。
それぞれの銀行によって特徴がありますし、メリット、デメリットも変わってくるでしょう。
それを事前にしっかりと理解しておけば、自分の家庭にぴったり合った教育ローンを選ぶことができると言えます。

まずは、メインバンクとして利用している銀行の教育ローンをチェックしてみましょう。
メインバンクで他のサービスや商品を利用していると、教育ローンがお得に利用できる金利優遇制度などが受けられるかもしれませんよ。

ただし、メインバンクだけをチェックするのはNGです。
いくら金利優遇制度を受けられたとしても、それ以上に金利が低い銀行、自分のニーズにぴったりくる銀行があるかもしれないからです。

教育ローンは、長期間にわたって返済していくもの。
「面倒だからメインバンクでいいや」と安易に決めてしまわず、面倒でもさまざまな銀行の教育ローンをチェックしてみましょう。
地元の地方銀行などにも、サービスの良い教育ローンが用意されているかもしれませんよ。

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低金利なのは国の教育ローンだけど…

教育ローンの金利
教育ローンで低金利なのは、やはり国の教育ローンということになるでしょう。
金利は年2%弱くらいです。

国の教育ローンは年収200万円以下でも申し込みができますが、収入の状況のほかに他社での借り入れ、住宅ローンの状況、公共料金の支払いなどに関してチェックされますから、このような点に自信のない人にとっては利用が難しいと感じられるかもしれません。

また、国の教育ローンでは年収の上限が決まっています。
利用できるのは、

子供が1人→世帯年収790万円まで
子供が2人→世帯年収890万円まで
子供が3人→世帯年収990万円まで
子供が4人→世帯年収1,090万円まで
子供が5人→世帯年収1,190万円まで

となっています。
これを超える場合には、国の教育ローンを利用したくても利用できません。

なお、国の教育ローンは1人の子供につき限度額が350万円までとなっています。
それではとてもカバーしきれない……という場合には、民間の教育ローンを選びましょう。

教育ローンって結局どこがいいのか

とにかく一番いい教育ローンを知りたい、と多くの人が思うでしょう。
しかし、どの教育ローンが良いかは人によって変わってきます。

学校と提携している教育ローンの場合には金利が優遇されることもありますから、どこの学校を選ぶか、選んだ学校がどの教育ローンと提携しているかによっても、最適な教育ローンは異なるでしょう。
さらに、その金融機関の別のサービスや商品を利用していると金利が優遇されるなどという教育ローンもありますから、条件を良くチェックしてみましょう。

おすすめの教育ローンとは

一口に「おすすめの教育ローン」といっても、やはり先ほどもお話したように人それぞれだと言えるでしょう。
金利などの面でどこの銀行もそこまで差が無いとなると、どの教育ローンを選べばよいのか悩んでしまいますよね。

そのような場合は、使い勝手はどうか、ニーズに合っているかという点を重視して選ぶのも良いのではないでしょうか。

例えば、銀行の教育ローンの中には一括で借入金を受け取るものだけでなく、その都度必要な金額を借りられるものもあります。
無駄に借り入れする必要が無いため利息が抑えられますし、使い勝手が良いと感じる人も多いかもしれませんね。

また、先ほどもお話したように学校に直接支払う費用しか借りられない教育ローンもあれば、下宿をするための家賃や交通費、留学にかかる費用、資格取得の費用などとしても使えるものがあります。
いくら金利が低くても利用したい使途に借入金を使えなければ意味がありませんから、そのような点もふまえて本当にニーズに合った教育ローンを選ぶ必要があるでしょう。

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教育ローンは社会人でも利用できる?

社会人でも教育ローンは利用できるか
もうすでに学生ではなく社会人として収入を得ているけれど、キャリアアップのために勉強をしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
ここで疑問に思うのが「教育ローンは社会人でも利用できるのか?」という点でしょう。

社会人で収入を得ていますから、返済は当然親ではなく自分で行いたいという人が多いと思いますし、そのような場合にも利用できる教育ローンがあるのかどうか、知りたいですよね。

教育ローンの中には、本人に継続して安定した収入があり、条件を満たしていれば利用できるものもあります。
インターネットで調べると「社会人向け」「自己啓発に」などと紹介されていることもありますから、比較的すぐに見つかるでしょう。
これまで資金が無くて学ぶことを諦めていた社会人も、教育ローンを使用して夢を叶えることができるというわけですね。

ただし、「継続して安定した収入があること」が条件になっていることが多いですから、仕事を辞めてしまうと教育ローンが利用できなくなってしまいます。
仕事をしながら通える範囲で勉強ができるように、計画を立てる必要がありそうですね。

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教育ローンは母子家庭でも利用できる?

母子家庭でも教育ローンは利用できるか
母子家庭の場合、子供の教育費を捻出するのって大変ですよね。
母子家庭だからこそ、教育ローンを利用したいと考える人も多いと思います。
母子家庭の場合、教育ローンの審査に通るのでしょうか。

母子家庭でも可能性はアリ

母子家庭だと教育ローンの審査に通らないというイメージが強いですが、必ずしも教育ローンの審査落ちしてしまうとは限りません。
なかには国の教育ローンの審査に通ったという人もいます。
同じ母子家庭であっても、年収はどのくらいか、雇用形態はどうなのかなどといったことも審査に関係してくると言えるでしょう。
母子家庭で年収も少ないというケースでは、教育ローンの審査に通るのは厳しいかもしれません。

母子家庭で教育ローンの審査に落ちてしまったという場合には、奨学金を利用することを検討してみましょう。
全国母子寡婦福祉団体協議会の奨学金制度など、母子家庭向けの制度もあります。

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教育ローンを利用する際の必要書類

教育ローンを利用する前に、どのような書類が必要なのか知っておきたいですよね。
教育ローンをみんなが利用する時期には混み合いますから、書類が揃わなくて時間をロスしてしまう……などという事態はなるべく避けたいものです。
こちらで、必要書類についてお話していきましょう。

本人確認書類など

一般的なカードローンなどと同じように、本人確認書類、収入証明書類などが必要です。
そのほか、国の教育ローンの場合には公共料金や住宅ローンの支払いが確認できるもの(預金通帳など)も必要となります。
また、住民票謄本などが必要となる銀行もありますから、利用したいと思っている教育ローンの公式サイトなどで把握しておくと良いですね。

入学、通学などが確認できる書類

学生証
合格通知書、入学証明書、学生証、在学証明書、授業料の納付通知書などが必要になることが多いです。
こちらも金融機関によって異なって来ますから、あらかじめチェックしておきましょう。

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教育ローンの借り方

教育ローンの借り方
教育ローンを借りたいという場合には、借りたい金融機関の公式サイトをチェックするか、店頭で相談をしましょう。
最近では多くの金融機関でインターネット申し込みができ、手軽に教育ローンを借りることができます。

教育ローンの中には、大学などに合格する前から申し込みができるものもあります。
入学前の時期などは混み合いますから、教育ローンを利用することを決めた時点で早めに検討を始め、申し込みをしておくといいでしょう。

一般的に教育ローンの借り方は、指定した口座に一括で借入金が振り込まれるという方法になります。

しかしなかには、カードローンのようにローンカードを使ってその都度借りられるものも。
そのような教育ローンの場合には、教育費が必要になったタイミングでATMなどから借り入れを行いましょう。

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教育ローンについての解説は以上です。

子供の教育費のための貯金をしているけれどまだまだ金額が足りないという場合には、教育ローンが強い味方となってくれるでしょう。
教育ローンはそれぞれ金利も異なりますし、利用限度額や借り入れ方法なども異なります。
教育ローンを選ぶ時には金利の低さも重要ですが、それ以上に資金使途や使い勝手なども重視して選ぶことが大事です。
いざ借りてみたけれど、使いたい使途に使うことができなかったというのでは困ってしまいますから、事前に良くチェックしておく必要があるでしょう。
それぞれの教育ローンのメリットとデメリットをチェックし、最適のものを選びたいですね。