子供の躾(しつけ)方

子供のしつけに関しては、範囲や方法などに様々な意見があります。

考え方や方法に関しては、法律に反しない範囲であれば、親は自由に選択し行うことができます。
自由と言っても、子供の躾け方は、どのようなやり方が正しいのか分からない人も多いですよね。
いや、正しい方法などないのかもしれません。

今回は、子育てをするときに悩んでいる人も多い、子供の躾け方について解説します。

子供の躾(しつ)け方に正解はない

子供の躾け方にちて調べていると、
「厳しくしつける」
「子供を尊重する」
「おおらかなしつけをする」
「有名な教育論にゆだねる」
など、書籍やインターネットを軽く覗いてみるだけで、まるで湯水のごとくしつけの方法を見つけることができます。

しかし、たとえ、その中でいろいろなことが述べられていたとしても、そこに「絶対」と言えるしつけ方法はないと断言できます。
それらの中には、いかにも科学的であるように感じさせるけれど、実は、まったく科学的でなかったり、ごく少数の体験をいかにも真実であるかのごとく語られた都市伝説みたいなものだったりするものまで様々あります。

親が愛から行ったことはすべてが正解なのか

しつけには、正解がないとお話をしましたが、これは、しつけの効果については、短くても数年先、長ければ数十年先でないと現れないことが理由です。
また、すべては結果論であり「あの時こうしておけば」「こう躾けていたなら」など、後悔のない躾けの仕方などあるわけもなく、それらのすべてが「たら、れば」に過ぎないからです。

それなら、子供の躾けは、何を拠り所にしたら良いのでしょうか。
実は、これには、明確に結論がでているんです。

それは、その都度、親が子供の為を第一に考えて、悩んで悩んで悩み抜いて出した結論であれば、その全てが正解であるということにつきます。
親は、子供のしつけだけでなく、教育や進路など、子育ての悩みが尽きません。

・子供にどんな生活を送らせればいいのか。
・どんなものを食べさせてあげたらいいのか。
・どんな人間関係を築けば、周囲と上手にかかわっていくことができるのか。
・幸せになるには、どんな生き方をすればいいのか。

これ以外にも、子育ての悩みは、まだまだ、いっぱいありますよね。

親が子供のために悩んで悩んで悩みぬくことに正解がある

じつは、親が悩み、悩み、悩み抜いて選択をする。
子供のために、結論を出す。
このことこそが子育てで最も大切なことなのです。

たとえその選択がうまくいかない結果となったにしても、親が精一杯悩んで出した答えなら、子供が親を恨んだりすることは絶対にありません。それが親子なのです。

ところが、親が財力などを利用して子供を操ろうと考えたり、親のエゴのために選んだ選択は、どんなに良い結果が出たとしても、子供が満足することはありません。

子供は親の所有物ではない

しつけには、いろいろな意味が含まれています。
極端な例では、虐待を行っていても、たとえそれが行き過ぎて我が子を殺めてしまったとしても、それを「しつけ」と言い張る人さえいます。

辞書を調べてみると「しつけ」とは社会的に適応するために望ましい生活習慣を身につけさせること。

基本的生活習慣のしつけが中心になるが、成長するにつれて、家庭、学校、社会などの場における行動の仕方へと、しつけの内容が拡大していく。(ブリタニカ国際大百科事典より抜粋)」と書かれています。

つまり、親の思い通りに行動する子供をつくり上げる行為や、洗脳などとは、躾けは、根本的に異なるということなのです。

また、子供をあたかも自分の所有物のように考えたり、立場として、あるいは威力や暴力を用いたりするなど、何らかの力によって強いものがより弱いものを操ろうとする行為でもありません。

つまり、躾けとは、たとえ相手が子供であろうと、一人の人間としての人格と尊厳を認めながら、社会の規範や習慣を教え、反復して身につけさせることだということを忘れないようにしてください。

人は好きか嫌いかでしか判断しない

人は基本的にそれが「好き」と思うか「嫌い」と思うかで判断し、「好き」なものは行ない、「嫌い」なものは行ないません。

これは、脳の中にある海馬と呼ばれる部分が震えるかどうかにかかっていて、精神論や根性論、常識論などの理論や理屈ではどうにもならないものなのです。

大人の場合、それが嫌なものであっても、それ以上に重要な生活などと引き換えに、どんな嫌なことでもやらなければならない場合があります。

それでも、度が過ぎると精神に障害が生じたりしてしまいます。

これが子供の場合には、大人より明確に現れますから、一度「嫌い」と脳に記憶されてしまうと、後からそれを修正することは容易ではありません。

さらに、「嫌い」なものを暴力などを通して無理やり行わせていると、トラウマとなり、同じことを繰り返す大人になったり、犯罪に走る場合もあります。

では、しつけをする時に何を心がければよいかですが、それは先程お話をさせていただいた、一人の人間として人格や尊厳を認めながら、それが「好き」と思わせるような仕掛けを作って教えてあげることなのです。

すると「好き」なことだからそれを行う。行うと良い習慣だから大好きなままに褒めてもらえる。褒めてもらえるから、もっとそれをすることが「好き」になる。

こうした連鎖の繰り返しで、良い習慣を身につけることこが、ママにも子供にもストレス無くしつけを行える秘密になります。

躾けの結果を覚悟して躾けする

最後に、最も大切なものとしてお話をさせて頂きたいのが、「親の覚悟」のお話です。

しつけは、たとえどんなしつけを行うにしろ、悩み悩んだ末に行うことであれば、それが全て正解になる(間違いはない)とお話をしましたが、そのしつけに「覚悟はあるか」ということをもう一度ご自分に問い直してみてください。

中にはご自分に自信がないから、あるいは、プロに任せたほうが安心だからと、しつけをプロに任せている方もいらっしゃいます。
もちろん財力があって、悩み悩んだ末の選択であればそれもよろしいと思います。

しかし、プロが行うしつけであっても、その結果の責任はまかせたプロが負うものでも、ましてやお子さんが将来負うものでもありません。
全ての責任は、たとえどんな結果になったとしても、すべてパパとママが負う覚悟を持って行ってください。

お子さんを愛し、パパとママが覚悟を決め、お子さんの時間句や尊厳を認めた上で、悩み悩んだ末に行ったしつけに間違いや失敗があるはずがありません。

どうぞ自信を持っておこなってください。