今回の記事では、認可保育園と認証保育園の違いについて解説します。
まず、日本の保育園の抱えている問題をさわり程度に説明しておくと……
現在、2016年に「保育園落ちた日本死ね」という記事が話題になったように、待機児童の問題が注目されています。
日本政府は、これまで、少子化懸念が高まり、待機児童対策をしてきたのですが、あまりお金を使ってきてませんでした。
平成26年(2014年)になって、ようやく、消費税増税の一部を使って、待機児童の問題に取り組むようになった、というのが現状です。
というわけで、待機児童問題については、まだまだ、解決するには時間がかかりそうですね。
しかしながら、待機児童問題は、仕事をされているパパ、ママにとって、かなり身近かつ深刻な問題です。
保育園を探して、あちらこちらの保育園に入所申請をしているけれど、空きがなくて入れなかった、という人も多いはず。
しかも、保育園にも、いろいろな種類があって、お子さんを通わせる保育園を選ぶのも一苦労。
たとえば、保育園には、認可保育園と無認可保育園、はたまた、認証保育園なんてものが保育園にはありますが、それぞれの違い、きちんと判っていますか??
子供の通う保育園ですが、認可保育園、無認可保育園、認証保育園の違いが分からない、という人は、本記事で詳しく解説していますので、ぜひ、参考にしてみてください。
Contents
保育園は認可保育園と無認可保育園の2つがある
まず、保育園の制度上のお話からしましょうか。
保育園には国の厳しい基準のもと認可を受けた認可保育園と、その基準を満たしていない無認可保育園という2つに分類されます。
「認可」「無認可」と聞きますと、一般的には「認可」は正しく良いもので、「無認可」とは違法なもの、悪いもの、もぐりなどという印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところが、このイメージは合っているようであっていないんです。
認可保育園とは
認可保育園とは、児童福祉法に基づく児童福祉施設のことです。
もっと具体的にいうと、設備や広さ、保育士さんの数などが国の基準を満たしているかなどを審査し、認可された保育園のことを指します。
認可保育園の運営費は、国や自治体から出ており、保育園が比較的リーズナブルであることが特徴です。
無認可保育園とは
一方、無認可保育園とは、児童福祉法で定めた基準が満たされていない保育園のことです。
ただ、誤解をしてほしくないのは、無認可保育園だから、すべて危ない、ということではありません。
保育園のなかで、国の定める基準を一つでも満たしていないものが無認可保育園とされるため、設備が充実していたり、保育士さんの質が良かったとしても、一定の広さの園庭がなければ、無認可保育園とみなされることもあります。
無認可保育園は、決して、モグリの保育園だとか、違法の保育園だ、というわけではありません。
無認可保育園の中にも、国の基準は満たしてはいないものの、都道府県の認証を受けている認証保育園というものがあります。
また、国の制約を受けないため、あえて、無認可保育園としている保育園や保育所もあります。
認証保育園(所)とは
認証保育園とは、東京都独自の制度です。
従来の国の基準による認可保育所の場合、設置基準から、大都市で設置することが困難であるという問題があります。
また、0歳児の保育を行っていない施設があるなど、東京都民の希望に必ずしも応えられていませんでした。
そのような理由から、東京都民の育児ニーズに応えるためにできたのが認証保育所です。
認証保育所は、東京都独自の基準を設定して、多くの企業が参加を促しているため、多様化している東京都民の育児スタイルにこたえられる可能性があります。
そういった意味では、認証保育園は、ルールに縛られた認可保育園とは違い、いろいろなニーズに応えてくれる保育園である、とすることができるでしょう。
きちんとした保育園の選び方―安全でしっかりと面倒を見てくれるのは?
なるほど、うんうん。
認可保育園、無認可保育園、認証保育園と、保育園にはいろいろ種類があるのは分かった。
じゃあ、この中で、どんな保育園を選んだら良いの? と疑問を持ったママさん、パパさんのために、保育所選びについて解説してみます。
さて。
子供の安全や健やかな発育を考えた場合、やはり無認可より認可保育園が信頼でき、同じ無認可の中では認証保育園のほうが安心できるのでしょうか?
この答えは、非常に難しいと言わざるを得ません。
まず、国の認可を受けている認可保育園は、認可の基準を満たしていることから、一般的には最もお薦めの保育園だといえます。
ただ、昨今のマスコミ報道の中には、認可保育園でありながら保育士の数を水増ししたり、東大阪市の認可保育園『みるく保育園』のように、国からの施設への助成金を施設の改善に使わずに私服を肥やすなどという言語道断な保育園もありましたよね。
しかし、その一方で、東京都内を中心に、非常に室の高い保育や、他ではマネのできない英才教育等を売りにすることで、認可保育園とは比較にならないほどの入園倍率をほこる保育園も存在します。
「認可」「無認可」にかかわらず、そこで働かれている保育士さんのお話をお聞きすると、パパ、ママにはお話ができないような話がぽろぽろ出てくることもあります。
たとえば、子供が多すぎて、子供ひとりひとりに時間を割いてあげられていない、それによって、ないがしろになってしまった子供がいたり、それが原因で怪我をしてしまったり。
これらは、一概に、保育園で働かれている保育士の皆さんが悪い、というわけではありません。
これは、子供の数の多さに対して、保育士さんの人数が足りていないことから生じる問題ですよね。
なので、経営者の方針が、現場のニーズに対応できていない、ということになります。
このようなことから、自分のお子さんを預かってもらう際は、申請先の保育園について、
・保育施設に危ないところがあったりしないか
・保育士さんの人柄は良いか
などを、保育園を構成するいろいろな要素に目を向ける必要があります。
保育園には誰でも入所できるの?
保育園は、誰でも入所希望をすれば、入所できると思われていらっしゃるでしょうか。
もちろん、どなたでも入所希望を出すことはできます。
ところが入所希望を出すことと、実際に入所できるのかは全く別の問題です。
たとえば、認可保育園の場合は、保育できない方が優先されるため、現実には、それ以外の方のお子さんには殆ど入所するチャンスが巡ってきません。
ここで言う保護者が保育できない方というのは、具体的にいうと、フルタイムの共働きのご夫婦や、病気などの理由により保育したくても現実にできない事情をお持ちの方、ということになります。
その一方で、無認可保育園であれば誰でも可能かと聞かれますと、それも違います。
たとえば、入園倍率の高い保育園の場合、様々な形で試験と呼ばれるようなものがあったり、驚くほど費用が高かったりするなど、入園のハードルが高いところもあり、そういった保育園の場合、入園は難しいでしょう。
無認可保育園には認可保育園以上に高い保育力や充実したサービスを持つ施設も
児童福祉法の基準を満たしていない、とされる無認可保育園の魅力とはなんでしょうか。
無認可保育園の魅力を箇条書きにしてみました。
【無認可保育園のメリット】
・通常の保育士さんを遥かに超えた教育や経験を持たれた方は勤務している保育園がある
・通常の保育園が終了した後に、引き続き夜間保育を行ってもらえる保育園がある、場合によっては、24時間保育を実践されている保育園も
ほかにも、保育士さんが充実しているだけでなく、施設そのもののサービスが良かったり、スポーツ教育などに特化していたりと、無認可保育園には、それぞれ、認可保育園が叶えることができないママさんパパさんのニーズを叶えてくれる施設も存在します。
保育を依頼する目的は、ご家庭により様々で、お子さんの面倒を見てもらえるというミニマムな目的だけでなく、
・英語を覚えさせたい
・スポーツをさせたい
・一流の保育士さんに子育ての一部をお願いしたい
などなど、無認可保育園は、多種多様な要求に答えてもらえるところあり、それが魅力の一つとなっています。
これ以外にも、最近では、専門家の方と有志のパパさん・ママさんが共同で、地域の自然を活かす理想の子育てを求めて、グループ保育をされているケースなどもあるようです。
また無認可保育園の中でも、特に質の高い保育を売りにしている保育園の中には、待機児童に対して訪問型保育を行っているところもあり、このような訪問型の保育サービスを受けられている場合、優先的にその保育園の系列の施設に入園できる得点がある保育園もあります。
認可保育園、無認可保育園の保育料金はいくらなの?
子供の保育をお願いするのにおよそどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
認可保育園の料金
認可保育園の場合、世帯年収などにより保育料が変わります。
ざっくりと言ってしまうと、生活保護をお受けの方の場合、認可保育園での利用者負担は0円で、所得の高い場合には最高月額25,700円となっています。
無認可保育園の料金
一方、無認可保育園の場合は、園の考えやサービスにより様々ですが、およそ月額5万円から7万円ほどという園が多く、なかには10万円を超える料金となっているところもあります。
もちろん、利用をされる場合にはそれぞれのお住いの自治体から補助金が利用できる制度も有りますので、一度自治体にお問い合わせされることをお薦めします。
いかがでしたでしょうか。
保育園選びも重要ですが、幼児期の教育というところにフォーカスするなら、幼児教室を利用するのもおすすめです。
幼児期の教育は、もっともリターンが大きく、その後の社会での活躍状況や年収などに大きくかかわってきます。
なので、最近では、幼児教室にお子さんを通わせるママさん、パパさんも増えています。
幼児教室については、当サイトでも、いろいろと解説していますので、もしよかったら参考にしてみてくださいね。