今回の記事のテーマは、テレビやゲームは子供に本当に悪影響なのかです。
やっぱり、世の中のパパさんママさんは、みな、自分の子供には『良い子に育ってほしい』と願っているはずです。
『悪い子に育ってほしい』なんて考える親はいませんからね。
だからこそ、もしテレビやゲームが子供に悪影響を与えるのであれば、子供に見せたりやらせたりするのは控えたいものです。
最近では、小学生、中学生、高校生の子供が不良行為や悪質な犯罪を犯してしまうと、決まってマスコミが暴力的な内容が含まれるテレビやゲームのせいではないか、と論じています。
このような報道が続くなか、自分の子供がテレビで暴力シーンを見ていたり、人を殺めるゲームで遊んでいたりするのを目の当たりにしたら、親としてはどうしても不安な気持ちになってしまいますよね。
愛する我が子ですから信頼はしていても、愛しているからこそ、やはり内心では心配になってしまうのが親心というものです。
しかし、そもそもの話になりますが、テレビやゲームって、本当に子供に悪影響を及ぼすのでしょうか?
今回は、テレビやゲームは本当に子供に悪影響を及ぼすのか、というテーマで、私がリサーチして判明した4つのことを紹介します。
興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
さて。
それでは、まず結論から先に言ってしまいましょう。
テレビやゲームは、子供にとって本当に悪影響があるのか。
実はこれ、私たちが考えているほど悪影響はありません。
なぜそう言えるのか、4つの項目に分けて理由を説明していきたいと思います。
Contents
ポイント1、子供が一日のうちテレビ視聴やゲームに費やす時間はどれくらいか?
最初に、子供が一日にテレビ視聴やゲームに費やす時間がどれくらいなのかを解説します。
子供が一日にテレビ視聴やゲームに費やす時間を知るために、厚生労働省の平成21年度(2009年)の全国家庭児童調査結果概要を抜粋してみました。
※表の要点はまとめていますが、より詳しいデータを知りたい方はコチラでお求めください。
ちなみに、こちらのアンケートの参加者数は以下のようになっています。
また、厚生労働省によれば、18歳未満の子供たちの状況については、小学5年生から18歳未満がアンケートの対象となっており、直接、児童本人から回答を得たものとなっています。
児童が一日のうちテレビやDVDを見る時間
出典:平成21年度(2009年)の全国家庭児童調査結果概要
上の表を見ると分かるように、高校生を除く8割以上の児童が一日に1時間以上テレビを見ることに費やしていることになります。
子供が一日のうちテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間
出典:平成21年度(2009年)の全国家庭児童調査結果概要
続いて、テレビゲームやパソコンで遊ぶ時間についてですが、こちらは子供の全体の約7割ほどが2時間未満です。
また、女子より男子の方がテレビゲームやパソコンで遊ぶ時間が長いという傾向にあります。
ご覧になって分かるように、データは少し古いかもですが、日本の小学5年生から高校生までの子供たちのうち、実に8割近くが一日に1時間以上テレビを観ていることになり、また、ゲームについても、子供全体における4割以上が一日に1時間以上ゲームで遊んでいるということになりますよね。
テレビやゲームによる子供への悪影響の心配は世界共通
さて。
テレビやゲームが実際に子供に与える影響について話す前に、こちらについても紹介しておきましょう。
実は、テレビやゲームが子供に悪影響を与えるのではないか、と親が心配しているのは、日本だけではなく世界共通なのです。
たとえば、アメリカ合衆国のタイムズ紙は2009年8月4日に『テレビを観ると肥満に繋がる」という内容の特集記事を書いています。
しかしながら、テレビを観ると肥満に繋がる、という仮説は、きちんといろいろな可能性を実証した上で結論づける必要がありそうです。
なぜなら、テレビを観ると肥満になる、というのは、テレビを観ている時間が長いから肥満になるのか、そもそも、肥満の人にはテレビを長時間観るという生活習慣があるのか、データを積み重ねて検証しなければ、どちらとも判断できないからです。
ポイント2、テレビとゲームは子供に及ぼす悪影響はわずか
教育経済学者の中室牧子さんの著書『学力の経済学』によれば、アメリカの研究では、
・幼少期にテレビを観ていた子供たちは学力が高い
・幼少期に『セサミストリート』などの教育番組を観て育った子供たちは就学後の学力が高かった
のようなデータがあります。
また、それはゲームについても同じことで、
・17歳以上の子供向けのロールプレイングゲームなどの複雑なゲームは子供のストレスの発散に繋がり、創造性や忍耐力を培う
というデータがあります。
確かに、私自身も、学生のときにテレビゲームをストレス解消のためにやっていましたし、丁度良い息抜きとなっていたという記憶が残っています。
私が特に好きだったのはポケモンでしたが、これは私にとって、非常に勉強にもなったアニメ、ゲームでした。
例えば、カモネギというキャラクターは、こんな見た目をしています。
「どうしてカモがネギを持っているんだろう?」
当時は疑問でした。
しかし、のちに「鴨が葱を背負って来る」ということわざの存在を知ったとき、「そういうことだったのか!」と、脳内に強烈な爽快感が駆けめぐったのを覚えています。
この経験によって、私はこのことわざの意味を一発で記憶することができました。
他にはどんな秘密が隠れているのだろうという好奇心が湧きあがり、いろいろなキャラの名前の由来を調べていきました。
そこからいろいろなことわざ、故事成語、英単語、神話や生物学に関わる知識を、誰かに教わることなく、自分で学んでいきました。
・登竜門という言葉の由来
・虫を食べる植物の存在
・ドッペルゲンガーという現象とは
こういったことを、私はアニメやゲームから勉強したのです。
「ものによる」といってしまえばそれまでですが、アニメやゲームのなかには、普段の生活では知る由もない世界の仕組みや歴史、モチーフがたくさん潜んでいます。
そういったこと自分で気づき、知る喜びを覚え、知識の幅を広げることができる点は、むしろテレビやゲームがもたらす好影響と言うこともできるのではないでしょうか?
ポイント3、テレビやゲームを取り上げても子供の勉強時間は増えない
ポイント2で判明した事実から、テレビやゲームは必ずしも悪影響を及ぼすものではありません。
なので、心配だからと言って、いきなり問答無用で、子供たちが好きなテレビ番組の視聴を禁じたり、ゲームを無理に取り上げたりしてしまうのは逆効果です。
それらの行為は、好影響どころか、子供がストレスを溜める結果につながる可能性があります。
実際に、テレビやゲームを無理やりやめさせても、子供の勉強時間は、ほんの数分程度しか増加しないというデータもあるくらいですからね。
なので、子供の学力を伸ばそうと考えるのであれば、テレビ視聴やゲームをさせないよりも、新たに別の方法を考えた方が良いでしょう。
ポイント4、ただし、テレビやゲームのやりすぎは禁物
ここまでで、テレビやゲームが子供に与える悪影響は僅かだと説明してきました。
ただし、それはテレビやゲームをやりすぎても良いというわけではありません。
やはり、やり過ぎてしまえば、子供の勉強時間は損なわれますし、学習や成績に悪影響が出てくるでしょう。
たとえば、ゲームの場合、やりすぎるとゲームへの依存が進み、子供は他の活動への興味が薄れてしまいます。
しまいには、子供はゲームをすることをやめることができなくなり、親がいくら止めても隠れてゲームをするようになってしまう危険も。
昨今、スマホゲームの依存症についても騒がれていますが、これは子供だけではなく、大人の皆さんの中にも身に覚えのある人がいるのではないでしょうか。
ゲームのやり過ぎは、子供だけでなく、大人も依存症になり、学習や仕事に支障が出る恐れがあるので気をつけましょう。
また、テレビの観すぎについても、高齢者の認知症の原因になると最近では騒がれています。
これは、テレビが『視覚』、『聴覚』による刺激だけに限定されてしまっているからで、他の『思考』や『認識』、『記憶』、『会話』という能動的な脳内ネットワークが休みっぱなしになってしまうためなんです。
なので、子供だけでなく、大人もテレビの観すぎは良くないし、同じ理由で、脳の限られた分野しか使用しないゲームのやり過ぎも、脳や身体の健康を損なう恐れがあることになります。
ならば、どれくらいの時間ならテレビ視聴やゲームで遊んでも良いでしょうか。
これについては、子供の場合、一日一時間程度であれば、まったくテレビやゲームをしない子供と変わらないというデータが示されています。
【まとめ】テレビとゲームの悪影響はわずか。でも、ほどほどが大切
いかがでしたでしょうか。
ここまででお話した、テレビやゲームは本当に子供に悪影響を及ぼすのか? リサーチによって判明した4つのことを簡単にまとめてみますね。
1、日本では、1日1時間以上テレビを観ている子供が全体の8割。
2、アメリカの研究では幼少期にテレビを観ていた子供は学力が高いというデータがある。ゲームもストレス発散や創造性、忍耐力を養う効果がある。
3、子供からテレビやゲームを取り上げて勉強時間は増えない。
4、1時間ほどであれば、テレビもゲームも子供への悪影響はほとんどないが、やりすぎは禁物。
ここまでで述べてきた通り、テレビやゲームをすることがイコール子供に悪影響を及ぼすということではありません。
日本の子供たちの8割ほどは、テレビを毎日1時間以上観ていますし、むしろ、適度なテレビ視聴やゲームプレイならば、ストレスの解消や創造性や忍耐力を養うことにも繋がります。
したがって、テレビやゲームを悪だと決めつけて、問答無用で子供から取り上げてしまうのは賢明な選択肢だとは言えないでしょう。
テレビの観すぎやゲームのやり過ぎは、もちろん良くありませんが、これらのメディアは子供にとって大切な学習の手段であると同時に、娯楽の手段でもあるのです。
だから、パパさん、ママさん。
くれぐれも、お子さんから一方的に、テレビやゲームを奪わないであげてくださいね。
もちろん、これだけの説明では、不安もあるかと思います。
最近は少なくなりましたが、昔はテレビに残酷なシーンや子供の視聴に不適切なシーンが流れる場合もありました。
その一方で、テレビほど規制が厳しくないゲームでは、今も、凄惨な暴力描写が描かれることがしばしばですよね。
ですが、子供がしているゲームに暴力描写が出てきたり、人を殺す描写が出てきたりしたからといって、それを観て、実際に近所で犯罪を起こしたり、人を殺してしまったりするほど子供は愚かではありませんよ。
もし、子供が好きなテレビやゲームの内容について不安を覚えるのでしたら、まずは、お子さんと一緒にそのテレビやゲームを観てみて、その内容について話し合ってみると、子供の好きなものや考えていることが分かって良いのではないでしょうか。
お子さんの好きなテレビやゲームについて、ただ漠然とした不安を抱くよりも、その方がはるかにお子さんが、そのテレビやゲームについてどのように感じているかが分かるため、双方にとって良い結果を生むのではないかと思います。
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