幼児教育無償化に「現場の7割が反対」少子化の今なのになぜ?

少子化が叫ばれる中、2019年10月からいよいよ本格的に幼児教育無償化がスタートしようとしています。

子育て世帯の負担を軽減することができ、子供を持つ人が増える可能性が高まり、少子化対策に一役買ってくれそうな幼児教育無償化。
子供を出産し、育てる親たちにとっての大きなメリットですが、実は反対意見も多数上がっていることをご存知でしょうか。

今回は、幼児教育無償化の詳細を解説したうえで、反対意見に一言、物申させていただきたいと思います。

幼児教育無償化とは

幼児教育無償化は、政府が掲げる「新しい経済政策パッケージ」の中の「人づくり革命」の一環として行われるもので、公約にもなっている政策です。

すべての子供に質の高い教育を提供することを目指し、望めばどの子供でも幼稚園、保育園、認定こども園などでの教育が無償で受けられることを実現します。

幼稚園、保育園(認可保育所)、認定こども園など、認可された施設での教育について、

3歳~5歳の子供→世帯の所得に関係なく無料
0歳~2歳の子供→年収250万円未満の住民税非課税世帯なら無料

になるんです。(無償化の細かい条件などは後述します)

幼児教育って、本当にお金がかかります。

我が家にも2人の子供がおり、二人とも幼稚園に通わせていました。
うちの地域では市から一定の補助金が出ましたが、それでも一人につき月に2~3万円の保育料はかかっていたと思います。
2人同時に幼稚園に通っていた時期には、月の負担は4~6万円になりました。
それに給食費などもかかってくるので、けっこう痛い出費なんです。

その給食費に関しては無償化の対象外ですが、それでもこの大部分が無償化されれば、子育て世代にとっては朗報です。

毎月何万円ものお金を払い続けるとなれば、やはり子供を作ることを諦めてしまう若者は多いと思います。
実際に、20代~30代の人たちが子供を持たない一番の理由は「お金がかかりすぎるから」なのだそう。
これが、少子化の原因のひとつになっているのが現実です。

幼児教育無償化は、家庭環境に左右されず、平等に教育や保育を受けられるというメリットがありますし、幼児期の教育費の心配が減るので強力な少子化対策になるはずです。
子供を持つハードルが下がることは簡単に想像できるでしょう。

実際私の周りにも、子供の教育費がかかるから2人目は難しいと言っている友人がいます。
そのような人たちも、幼児教育が無償化されるのならば2人目を考えてみようか? と思えるはずです。

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どんちゃか
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月謝* 8,800~ 11,000~ 15,400~ 8,800
入会金* 11,000 15,400 27,500
月謝+
入会金*
19,800~ 22,000~ 30,800~ 36,300~
振替制度 ある なし ある
講師資格 全員幼稚園教諭/
保育士資格所有
不明 一部幼稚園
教諭免許所有

*税込表記

幼児教育無償化をもっと詳しく

幼児教育無償化の具体的な内容を、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。

幼児教育無償化はいつから始まる?

幼児教育無償化は、2019年4月に5歳児のみスタートし、2019年10月に本格的にスタートする予定となっています。
もともと本格的なスタートは2020年4月からの予定でしたが、2019年10月の消費税増税と合わせて前倒しでスタートさせるようです。

幼児教育無償化の詳しい内容

それでは、幼児教育のどのような点が無償化になるのか見ていきましょう。
保育が必要と判断された場合 と そうでない場合 で内容が異なってくるため注意が必要です。
また、これはあくまでも現時点(2018年12月)のものであり、変更になる可能性もあります。

内閣官房HPから確認できる参考資料には

が掲載されていますが、私も表を作ってみたので、わかりやすいほうをご覧ください↓

まず、<3~5歳児>を対象として、

保育の必要性あり(=共働き、シングル子育てなど)と認定された家庭】
認可保育所無償
認定こども園無償
幼稚園月額25,700円まで補助
認可外保育施設月額37,000円まで補助
幼稚園(預かり保育)月額37,000円まで補助(幼稚園の補助25,700円を含む)
障害児通園施設無償
保育の必要性なし(=専業主婦(夫))と判断された家庭】
認可保育所対象外
認定こども園無償
幼稚園月額25,700円まで補助
認可外保育施設既定の保育料
幼稚園(預かり保育)既定の保育料
障害児通園施設無償

これを基本として、さらに<0~2歳児>については、

認可保育所無償
認定こども園無償
幼稚園対象外
認可外保育施設月額42,000円まで補助
備考年収250万円以上の住民税課税世帯は対象外なので、既定の保育料

ということだと思います。

いずれの場合も、無償化となるのは保育料のみです。
給食費や通園にかかるバス代などは対象となりませんから、注意しましょう。

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幼児教育無償化への反対が多い?!いったいなぜ

これだけ少子化が叫ばれている今、この幼児教育無償化には反対意見が多数あるといいます。
子供を持つ親からすると、「なぜ?」と思ってしまいますよね。

転職支援会社のウェルクスが幼稚園教諭や保育士を対象に行ったアンケート調査によれば、なんと約7割もの人が幼児教育無償化に反対しているそう。

その理由としては、無償化によって幼児教育を受ける子供が増加して、

・現場の負担が今以上に増える
・人手不足や保育の質の低下につながる
・保育を必要としない子供も預けられ、本当に必要とする子供に行き届かない
・待機児童の増加に拍車がかかるのではないか

といった声があがっているそう。

うーん……確かに、ながらく保育士不足が叫ばれていますし、幼児教育無償化によって生じる業務への影響を考えると、現場で働いている方々が大変なのは分かります。

しかし、幼児教育無償化によって、これまで経済的な理由で保育園を選んでいた家庭幼稚園を選択することもでき、選択肢が増えます。
さらに、保育を必要とする家庭には幼稚園の預かり保育も一定の金額まで保証されますから、フルタイムで働く親御さんも、幼稚園を選択肢に入れることができるようになるのではと思います。
そうやって幼稚園を選択する人が増えれば、保育士不足や保育所不足の解消につながっていくのではないでしょうか。

我が家の子供2人もかつて幼稚園に通わせていたので、参考に子供たちが通っていた幼稚園のホームページを見てみました。
すると園児募集の案内が載っていて、そこには「保育料・預かり保育 無料」とありました。(もしかしたら認定こども園に移行したのかもしれません)
この幼稚園には7時30分~18時までの預かり保育があるため、母親がフルタイムで仕事をしている場合にも通わせることができそうです。

幼稚園と保育園は基本的に役割が違い、

・保育園は家庭に代わって保育を提供する場所
・幼稚園は未就学児が教育を受ける場所

となっています。

「本当は幼児教育を受けさせたいけれど、経済的な理由で保育園しか選択肢がない……」という家庭も、幼児教育無償化によって、幼稚園で幼児教育を受けさせることができる。
素晴らしいことだと思いませんか?

幼児教育無償化反対派は子育て世帯にもいる?!

意外なのは、子供を持つ親からも幼児教育無償化について反対意見が出ている点です。

子育て世帯からは

・先に待機児童の問題を解決すべきではないか
・施設を充実する方が先ではないか

などの意見が出ているそう。
待機児童
もっともな意見でもありますが、それは自分の子供をなにがなんでも保育園に入れたい人たちに限った話ですよね。
幼児教育無償化になって自己負担が減れば、保育園にこだわらなくてよい家庭も増えるわけです。
それなのに「先に保育園や保育士を増やして待機児童を減らすことにお金を使うべきだ」と息巻くのは、ちょっと違うのではないかと思ってしまいます。

それに、保育園が不足しているのは大都市を中心としたエリアに限った話であり、日本全国で考えたら幼児教育無償化のほうが子供たちのためになるに決まっています。
結局は、せまい視野の中でしか考えていない人が多いということなのかもしれません。

それよりも、経済的な理由のせいで平等に幼児教育を受けられない子供がいるほうがおかしいはずです。
幼児期は、能力の開発や知識の吸収が目覚ましく、心身の発達や人格形成にも大事な時期。
ですから、幼児期の教育って絶対大事なんです!
経済的な理由で幼児期の教育に格差ができてしまうというのは、罪のない子供にとっては残酷なことです。

幼児教育無償化はそういった格差を埋めるためのものだと思いますし、「すべての子供に質の高い幼児教育を保障する」ために行われるものですよね。
反対派の人たちはそのへんをどう考えているのかな? と不思議です。

幼児教育を受けさせられないのは自己責任とでも言うような雰囲気が極まってしまったら、少子化よりもっと最悪な、消子化になってしまいますよ!

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幼児教育無償化の反対は財源のせい?

消費増税
幼児教育無償化の財源には、消費税を10%に増税したことによって得られる増収が充てられるようです。

政府は、消費税増税による増収のうち、本来は負債の返済に使う予定だったぶんから約1兆7,000億円を、この幼児教育無償化の財源にしようとしています。
このことから、やはり面白くない、幼児教育無償化なんて反対だという意見も出ているようです。

幼児期の子育てが終わっている世帯は、

・今さら幼児教育が無償化されても、自分たちには何の得もない
・自分たちは幼児教育の費用を自己負担したのに納得いかない、そのうえで消費税が10%になるなんて

などと感じているようです。

また、そもそも子供がいない世帯からは、

・自分たちには無関係なのに、よその子供のために消費税10%も払うのは納得いかない

という声もあがり、幼児教育無償化の反対に加勢しているようです。

我が家も幼児教育を終えた側ですから、その気持ちはよく分かります。
でも、それを言っていたらいつまでたっても、なんにも変わらないですよ。

幼児期の子供たちが平等に教育を受けられるのは重要なことです。
それを、自分たちが恩恵を受けられないからとか、そのせいで消費税が上がるからとか、そういった理由で反対するはいかがなものなのかと思います。

日本人は協調性に富んだ国民性といわれますが、こういった意見を目にしていると、自己中な人ばかりなのかな……と思わずにはいられません。

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月謝+
入会金*
19,800~ 22,000~ 30,800~ 36,300~
振替制度 ある なし ある
講師資格 全員幼稚園教諭/
保育士資格所有
不明 一部幼稚園
教諭免許所有

*税込表記

幼児教育無償化によって個性をのばす教育にお金をかけられる

幼児教室
幼児教育無償化によって幼児教育の費用がかからなくなれば、そのぶんを習い事や幼児教室など、個性をのばす教育の費用に回すことが可能になります。
それにより多種多様なジャンルにおいて、子供たちの可能性を伸ばすことができ、日本の子供全体の学力や能力の底上げにもつながります。

これまで経済的な理由で諦めていた人たちも、幼児教育無償化のおかげで子供を習い事や幼児教室に通わせることができるようになるかもしれませんね。

さまざまな習い事や幼児教室のカリキュラムなどを体験させることができれば、その子に合ったものが見つかり、夢や目標が定まるかもしれません。

先ほども言ったように、幼児期は能力開発や情操発達などに大事な時期ですから、このときに習い事や幼児教室などに通うと効果が大きいのです。
子供が楽しんで能力を伸ばし、本人に自信が付くことでさらに頑張ろうという気持ちになるという、好循環が生まれるでしょう。

高い能力と個性を身につけた子供たちが増えれば、その子たちが未来の日本を作り上げていってくれます。
そうやって、日本全体が幸せになったらいいなと思うのは、私だけでしょうか。

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少し熱くなってしまいましたが、幼児教育無償化への思いを率直に述べさせていただきました。

すべての子供が平等に幼児教育を受けられる。
それまで幼児教育に充てていた費用を、各々の個性を育むために使える。
その子供たちが多様な能力を発揮して、日本の未来を明るく照らす。

そんなことが可能になりそうな幼児教育無償化が、2019年10月よりスタート予定です。

自分たちの事情よりも長い目で見た将来の日本のことを考え、子供たちの教育を心から応援する。
日本の社会がそんな雰囲気になっていったらいいですね。